みなさんこんにちは
がんサバイバーさんの健康をサポートするべく日々奮闘中の大阪国際がんセンター認定がん専門運動指導士&乳がんサバイバーの川瀬ひとみです。
このたび、2026年10月10日(土)に大阪けいさつ病院で開催される、市民公開講座「がん支えあいの日」に登壇させていただくことになりました。
今回、私がお話しするテーマは、「治療で変化した体とどう向き合う?〜体力を取り戻すための運動のポイント〜」
です。
大阪けいさつ病院では、がん患者さんやご家族を支えるさまざまな取り組みが行われています。
今回の市民公開講座も、そのひとつ。
講演だけでなく、医療相談、リハビリ相談、社労士相談、口腔ケア相談、ネイルケア相談など、がんに関するさまざまな相談ができる場も用意されています。
そして最後には、特別演奏会も予定されています。

「がんについて知る」だけではなく、治療や生活の中で困っていることを相談したり、人とつながったり、少し心をほっとさせたりする。
そんな時間になっているのだと思います。
今回はこのイベントのご紹介と共に、イベントに登壇させていただくきっかけにもなった「らくらく運動教室」のことをお話したいと思います。
大阪けいさつ病院の「らくらく運動教室」
大阪けいさつ病院では、昨年からがん患者さんとそのご家族を対象にした「らくらく運動教室」を月2回開催しています。
椅子に座ってできる簡単な運動を行い、後半はおしゃべり会という内容です。
治療中の方、治療を終えた方、これから手術を受ける方、手術を控えている方など本当に様々な方が参加してくださいます。

それぞれ置かれている状況も、身体の状態も違います。
だからこそ、みんなが同じように頑張って運動するのではなく、「今の自分の身体に合わせて動く」ことを大切にしています。
看護師さんたちも、「治療前、手術前から身体を動かしておくことも大切ですよ」とお話しされています。
私も、これはとても大切なことだと思っています。
運動というと、「治療が終わってから体力を取り戻すためにするもの」と思われることもあります。
でも、実際には治療前から、そして治療中も、治療後も。
その時々の身体の状態に合わせて運動と付き合っていくことができます。

「ちょっとしんどいかな」と言いながら来られた方が……
この教室で、私が嬉しくなる場面があります。
「今日はちょっとしんどいかな……」と言いながら来られる方がいらっしゃいます。
体調や治療の影響で、身体を動かすこと自体に少し不安がある日もあります。
そんなときは、無理に頑張る必要はありません。
その日の身体の状態を見ながら、できることを少しずつという感じで、身体をゆっくり動かして、体の緊張やこわばりをほぐしていきます。
そして、教室が終わる頃になると、「動けました😊」と、笑顔で帰っていかれる。
その姿を見ると、「ああ、今日もやってよかったな」と思います。
運動の効果は、筋力がついたとか、体力が上がったとか、それだけではない。
そしてそれよりも
「今日は身体を動かせた」
「思ったより動けた」
「少し身体が軽くなった気がする」
そんな実感が、とても大切だと感じています。
身体を動かしたあとは「おしゃべり会」
この「らくらく運動教室」には、もうひとつ素敵な時間があります。
運動で身体をほぐしたあと、みんなで輪になっておしゃべり会。
「こんなとき、みんなどうしてる?」
「TVでこんな体操が良いって見て、毎日やってます。」
「こんな情報を聞きましたよ」
など、それぞれのお困りごとを話したり、情報交換をしたり。
ワイワイ気楽におしゃべりします。
病気のことだけではなく、日々の生活のことなども含めて、いろいろなお話が出てきます。
看護師さんも一緒に参加してくださるので、「こんな時はこうしたらいいですよ」といった具体的なアドバイスをいただけるのも心強いです。
同じような経験をしている人がいる。
自分だけじゃなかったんだ。
そんなふうに思えることも、きっと大きな支えになるのだと思います。
そして、教室をきっかけにお友達ができる方もいます。
以前、「ここでお友達ができて、終わってから一緒にランチして帰ってます」と、楽しそうに話してくださった方がいました。
その言葉を聞いて、私はとても嬉しくなりました。
運動教室に来て、身体を動かしておしゃべりして、
お友達ができて、教室が終わったら一緒にランチへ行く。
なんだか、とても素敵ですよね。
身体を動かすことで、身体が少しほぐれる。
一緒に運動することで、人とつながる。
おしゃべりすることで、気持ちが少し軽くなる。
情報交換をすることで、「やってみよう」と思えることが見つかる。
そして、教室が終わったあとに、「また来週ね」「今度ランチしましょう」と笑顔で帰っていく。
そんな場所があること自体が、治療を受ける方や、その後の生活を送る方にとって、大切な支えになるのではないかと思っています。
運動は「治療が終わってから」だけではありません
がんと運動というと、「治療が終わってから体力を取り戻すために運動する」というイメージを持つ方も多いかもしれません。
もちろん、治療後の体力回復や身体機能の維持・改善のための運動は大切です。でも、運動はそれだけではありません。
手術前には、これからの治療に向けて今できる身体づくりを。
治療中には、その時の体調や身体の状態に合わせて。
治療後には、少しずつ身体を動かすことを再開し、これからの生活につなげていく。
大切なのは、「今の自分の身体には、何ができるかな?」と考えることなのだと思います。
私自身も、乳がん術後に「動けない」を経験しました。
思うように腕が上がらなくなった経験があります。
それまで普通にできていたことができない。Tシャツや服を脱ぐのが大変、シャンプーするのも肩が痛い
ヨガのレッスンをしていても身体が思うように動かない。
これは、実際に経験してみないと分からない感覚でした。
だからこそ、がんサバイバーの方への運動指導では、「もっと頑張って運動しましょう」ということだけを伝えたいわけではありません。
今の身体を知る。
今できることを知る。
できる範囲から少しずつ動いてみる。
そして、「前より動けるようになった」「これができるようになった」という小さな変化を感じる。
そんな時間を大切にしています。
実際に私のパーソナルのお客様からも、
「がんになったことをきっかけに、以前より身体を動かすようになった」
「運動を続けていたら、どこへでも疲れずに行けるようになった」
という嬉しいお話を伺っています。
私は、こういう変化がとても嬉しいのです。
病気になる前の自分に戻るだけではなく、病気を経験した今の自分だからこそ、これからできることを増やしていく。
そのために、身体を動かすことが少しでも役に立てばいいなと思っています。
大阪けいさつ病院市民公開講座「がん支えあいの日」
今回の市民公開講座では、私の講演以外にも、がん治療や生活に関するさまざまな情報を聞くことができます。
市民公開講座「がん支えあいの日」開催概要
日時:2026年10月10日(土)13:00〜16:00
※13:00開場
場所:大阪けいさつ病院 外来エリア1・2階
参加費:無料
講演プログラム
13:30〜14:00
「がん治療と爪のはなし」
14:00〜14:30
「治療で変化した体とどう向き合う?〜体力を取り戻すための運動のポイント〜」
動こう★キャンサー 大阪国際がんセンター認定がん専門運動指導士
川瀬ひとみ
14:30〜15:00
「がんと仕事の両立
〜あなたらしく働くためにできること〜」
そのほか、医療相談・リハビリ相談・社労士相談・口腔ケア相談・ネイルケア相談など、さまざまな相談コーナーもあります。
15:00〜16:00には特別演奏会も予定されています。
参加費は無料です。
事前登録制ですが、事前登録をしていない場合でも、お席に空きがあれば入場できるとのことです。
がんの治療を受けていると、身体のことだけではなく、仕事や家族、これからの生活など、いろいろなことを考えることになります。
そんな中で、「自分だけが大変なのかな」「こんなことを相談してもいいのかな」と思ってしまうこともあるかもしれません。
でも、話してみると、「私もそうだったよ」と言ってくれる人がいる。
運動してみたら、「思ったより動けた」と感じられる。
教室で出会った人と、「今度一緒にランチしよう」と約束できる。
そんな小さなつながりが、毎日の生活を少し明るくしてくれることもあると思います。
今回の「がん支えあいの日」も、一人で頑張らなくてもいい。
いろいろな人とつながりながら、自分のこれからを考えていい。
そんなことを感じてもらえる一日になればいいなと思っています。
私も当日、皆さんとお会いできることを楽しみにしています。

