がんサバイバーの運動|体力低下にどう向き合う?歩きやすい身体をつくる3つのポイント

みなさんこんにちは
がんサバイバーさんの健康をサポートするべく日々奮闘中の大阪国際がんセンター認定がん専門運動指導士&乳がんサバイバー川瀬ひとみです。

がんの治療を経験したあと、

「以前より体力が落ちた気がする」
「歩くと疲れやすくなった」
「歩幅が小さくなった気がする」
「脚が前に出にくい」
「運動したほうがいいとは思うけれど、何をしたらいいのかわからない」

そんなことを感じる方はいらっしゃいませんか?

がんの治療中や治療後は、治療による身体への負担や精神的なストレス、食欲の低下、倦怠感など、さまざまな要因から活動量が低下することがあります。

すると、

疲れるから動かない
↓
動かないから体力が低下する
↓
さらに動くことがしんどくなる

という悪循環につながることもあります。

だからこそ、がん治療後の運動では、ただ「頑張って運動する」のではなく、今の身体の状態に合わせて、少しずつ身体を動かしていくことが大切です。

今回は、その中でも毎日の生活に欠かせない「歩くこと」に注目して、歩きやすい身体をつくるためのポイントをご紹介します。

目次

歩けることは、毎日の生活を支える大切な力

私たちは普段、何気なく歩いています。

でも、「自分の足で歩ける」ということは、実は毎日の生活と深く関わっています。

買い物に行く。
散歩をする。
家族や友人に会いに行く。
行きたい場所へ自分の足で出かける。

歩くことができると、自分で行動できる範囲が広がります。

そして、歩くことは身体だけではなく、暮らしや心、人とのつながりにも関係しています。

歩けることは、自由や自立、日々の楽しみ、人と会うことなど、さまざまなことを支える力になります。

だからこそ、体力が落ちたと感じたときには、「もっと頑張って歩かなければ」と考えるだけではなく、

「これからも歩きやすい身体をつくるには、何ができるだろう?」

という視点で身体づくりを考えてみることも大切です。

歩きやすさのポイントは「脚」だけではありません

歩くというと、どうしても「脚」に目が向きます。

でも、歩くという動作は、脚だけで行っているわけではありません。
身体のさまざまな部分が動きながら、歩くという一つの動作をつくっています。

そこで意識したいのが、

① 股関節
② 足首
③ 背骨・背中まわり

の3つです。

それぞれが、歩きやすさにどのように関わっているのか見ていきましょう。

① 股関節|歩幅をつくる大切な関節

歩くとき、脚は

前に出す
↓
後ろに引く

という動きを繰り返しています。

この脚の動きに関わっているのが、脚の付け根にある股関節です。

股関節は、歩幅を決めるうえでも大きく関わる関節です。

最近、

「歩幅が小さくなった気がする」
「脚が前に出にくい」
「歩くときに脚が重く感じる」

ということはありませんか?

そんなときは、まず股関節が気持ちよく動いているかを意識してみましょう。

股関節を動かしやすくすることは、歩くための身体づくりの一つのポイントです。
椅子に座った状態で片脚ずつ膝を上げ、股関節を動かしたり、股関節を伸ばすようなストレッチがおススメ。
※具体的な動き方やポイントは、Instagramで動画としてご紹介しています。

② 足首|つまずきを防ぎ、前へ進む動きを支える

次に意識したいのが足首です。

「歩くのに足首?」と思う方もいるかもしれません。

歩くときには、足首も大切な役割をしています。

足首が動きやすいことで、歩くときにつま先を上げやすくなり、足を前に出すときにつまずきにくくすることにつながります。

また、足を地面につけて身体を支え、そこから次の一歩へ進むときには、足元で地面をとらえることも大切です。

足首を動かしやすくすることは、地面をとらえて、前へ進むための蹴り出しの動きにもつながります。

例えば、

「ちょっとした段差につまずくことが増えた」
「歩くときに足元が気になる」
「足がうまく前に出ない気がする」

という方は、股関節だけでなく、足首の動きにも目を向けてみましょう。

足首を回す、つま先を動かすなど、簡単な運動から始めることができます。

③ 背骨・背中まわり|姿勢を整え、腕を振りやすく

3つ目は、背骨・背中まわりです。

「歩くのに背中?」と思うかもしれません。
でも、歩くときには身体を支える姿勢も大切です。

背骨や背中まわりが動きやすく、姿勢を意識できることで、歩くときの身体の安定にもつながります。

そして、もう一つ意識したいのが腕の振りです。

歩くときに腕を自然に前後へ振ることで、脚だけではなく上半身も使った歩きになります。
特にウォーキングを「運動」として行う場合は、脚だけを動かすのではなく、

姿勢を整えて、腕もしっかり振りながら歩くことを意識してみましょう。

腕を振ることで上半身も使いやすくなり、全身を使った歩きにつながります。

「歩いているけれど、腕はあまり動いていないかも」

という方は、まず肩の力を抜いて、自然に腕を前後へ動かすところから始めてみましょう。

※背中まわりを動かし、腕を振りやすくする運動もInstagramでご紹介していきます。

がんサバイバーの運動は、どれくらいすればいい?

今回のセミナーで紹介した、アメリカスポーツ医学会(ACSM)の「がん患者の運動療法に関するガイドライン」では、具体的な運動量の目安が紹介されています。

有酸素運動

週5日、1日30分程度
→ 週150分

中強度の運動(軽く息が弾む程度)

筋力トレーニング

週2回以上

さらに筋力トレーニングでは、
8~10種目程度
12~15回程度繰り返せる負荷
2~4セット

という目安が示されています。

こうした具体的な数字を見ると、
「週5日も運動するの?」
「筋トレを8~10種目もするの?」
「そんなにできない……」

と思う方もいるかもしれません。私自身も正直思います…

実は最初から、この数字を達成しなければいけないわけではありません。

むしろ大切なのは、「今の自分は、どこから・何からなら始められるか」を考えること。
つまり自分のスタート地点を見つけることです。

例えば、疲労感や倦怠感が強いときには、
・姿勢を意識して座る
・座ったまま足首を動かす
・短い時間だけ身体を動かす

体調が安定してきたら、
・ゆっくり散歩する
・椅子に座って腿上げをする
・歯磨きをしながらかかとを上げる

など、日常生活の中で身体を動かす機会を少しずつ増やしていきます。

そして、体力がついてきたと感じたら、有酸素運動や筋力トレーニングなどへ進んでいきます。

「できないからやらない」のではなく、「今できることから始める」。

そして、できるようになったら、少しずつ次の段階へ。この積み重ねが大切です。

ガイドラインの目安を一つの参考にしながら、今の自分にできる運動から始めて、無理なく徐々に増やしていく。

それが、運動を続けるために一番大事なことです。

まずは、身体活動量を増やすことから

運動というと、
「ウォーキングの時間を作らなければ」
「筋トレをしなければ」
と考えてしまうかもしれません。

もちろん、目的を持って行うウォーキングや筋力トレーニングは大切です。

でも、身体活動は運動だけではありません。
家事をする。
通勤や外出で歩く。
買い物に行く。
犬の散歩をする。

こうした日常生活の中で身体を動かすことも、身体活動になります。

まずは、今の生活の中で身体を動かす機会を少し増やすことから始めてみましょう。

Instagramでも、ご自宅でできるかんたんな運動をご紹介しています

動こう★キャンサーのInstagramでは、今回ご紹介したような運動をはじめ、ご自宅で簡単にできる運動を動画で投稿しています。

「運動したほうがいいとは思うけれど、何をしたらいいかわからない」
「一人で運動するのはなかなか続かない」
「まずは簡単なことから始めたい」
そんな方に、少しでも役立ててもらえたらと思っています。

Instagramの運動動画を、皆さんの「はじめの一歩」をつくるきっかけとして。

そして、運動を続けていくための「できることを見つける材料」として、ぜひ使っていただけたら嬉しい限り…

毎日必ずやらなくても大丈夫。
その日の体調に合わせて、「今日はこれだけやってみよう」「少し身体を動かしてみよう」
そんなところから始めてみてください。

小さな一歩の積み重ねが、これからの身体づくりにつながっていきます。

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ウィメンズキャンサーエクササイズスクール

開催日程:月2回 日曜日 /10:00~10:45
参加費: 回数券プラン  6回10,000円 ※購入日より3ヶ月有効
     都度プラン   1回 2,000円
場 所: 大阪市西成区民センター 他
     (大阪メトロ四つ橋線「岸里」駅2番出口すぐ)    
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